凶月(まがつき)
作詞?作曲?歌:コゲ犬
拾い上げた殻(から)を 風の奏でが嬲(なぶ)る
もう孵(かえ)らないと 月の涙の禊(みそぎ)
始まりは唐突(とうとつ)に 祈るような終わりへ
もう還(かえ)れないと 独り鎖縛(さばく)の世迷(よま)い
失(な)くしたものさえ知らず 足跡を残す 何処へ
紅(あか)く弾(はじ)け咲いた感情は
忌(い)み子(ご)の慟哭(どうこく)
生み出されることもないままに 流され消えた
最果ての鱗光(りんこう)に 揺れる渇望(かつぼう)の種(たね)
もう帰(かえ)らないと 謡(うた)い三途(さんず)の渡し
灰(はい)の積(つ)もる丘(おか)の上で 声にならぬ声で 叫(さけ)ぶ
受け入れさせられた蠱毒(こどく)は 痛みさえ融(と)かし
優しく犯(おか)された意識は 哀(あい)の落日(らくじつ)
嗚呼(ああ)彼方呼(よ)ぶ異話(ことば)
沈(しず)む此方(こなた)恋(こ)う傷無(きずな)
枯(が)れぬ花へ手を 伸ばして 伸ばして 届かず 嗚呼
失(な)くしたものさえ知らず 足跡を残す 刻(きざ)む
紅(あか)く弾(はじ)け咲いた感情は
忌(い)み子(ご)の慟哭(どうこく)
生み出されることもないままに 流され消えた
下弦(かげん)に引き裂かれた夜空は
凶月(まがつき)の嗤(わら)い
背徳(はいとく)の園(その)へ逝(い)く「わたし」を
止める術(すべ)もなく
一人歩き続ける
果てない檻(おり)の悪夢(ゆめ)を