時計の針だけ廻る世界
セピアの景色に鐘が響く
窓辺の席には無言の空
私はここから何を見てきた
誰か私に答えて
一人昨日に佇む
置き去りのままの
風景の中
零れ落ちてゆく私の色彩
忘れないでいて私が居たこと
止まらぬ時間に
手向けの言葉を添えて
歌う「さよなら」
ああ止まらない
私は
孤独と自由のどちらを手にして
何も無い部屋で
明日から目覚める
最後の別れを
静かな幕引きの中
夢よさよなら
両手に溢れる可憐な色彩
小さな願いで
織り上げたブーケ
どうか枯れないで
私が消えた舞台に
残す足跡
思い出を預けし窓際で
眺めてたいつかの青い空
舞い込んだ別れの花びら一つ
届かぬ昨日へと消えてゆく