眠りの手
閉じ込められていた熱が
水際に漂った その色
行き先を忘れて
日々に溶けた無数の粒が
夜露 受け止める器
欠けたひとかけら探してる
夕立ちが
名付けられた世界を剥がしたとき
それは波の様に
指の隙間をすり抜けて 消えて
形を変え 繰り返す夢だけが
わたしをつないでいる
夜の中を彷徨っている
移ろう季節の忘れ物
誰かを思う言葉は
誰かの想いに気付けないまま
透き通る 鏡の様に凪ぐ水面の
完璧な均衡
永遠の半ば 突き刺す雫
揺らめく
舞い上がる風が
わたしの声を攫ったとき
少しでも迷わない様に
二人変えていく
夕立ちが
名付けられた世界を剥がしたとき
それは波の様に
指の隙間をすり抜けて
消えてしまう
つないでいる